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「ぼくはうそをついた」は、広島を舞台にした感動的な児童文学です。
この作品では、戦争の記憶と家族の絆がテーマとして描かれており、子どもたちがその中でどう成長していくかが重要なポイントとなっています。
本記事では、簡単なあらすじをはじめ、印象に残った場面や登場人物について詳しく解説します。
また、レイが髪を切った理由や作品の見どころ、感想レビューなど、作品をより深く理解するための情報も紹介します。
さらに、シリーズ名・発行年や作者・原作者についても触れ、作品の背景に迫ります。
記事のポイント
- 物語の簡単なあらすじと主人公たちの背景
- レイが髪を切った理由や彼女の家族との関係
- 作品の見どころや印象に残る場面
- 作者や発行年など、作品の基本情報
ぼくはうそをついた あらすじと内容、登場人物
- 簡単なあらすじ
- レイが髪を切った理由
- 印象に残った場面
- 主人公と登場人物
簡単なあらすじ
『ぼくはうそをついた』は、広島を舞台に、戦争の記憶や歴史をテーマに描かれた児童文学です。
物語は、小学5年生のリョウタと、6年生のレイという二人の主人公を中心に進んでいきます。
彼らはそれぞれの家族を通して、原爆や戦争が残した傷跡に向き合うことになります。
リョウタは、祖父から大おじミノルの話を聞くことで、これまで「遠い過去の出来事」としてしか感じていなかった戦争を、自分の身近な問題として捉えるようになります。
ミノルは、13歳のときに原爆によって亡くなった祖父の兄で、リョウタは彼の足跡をたどろうと広島の街を歩きます。
戦争や原爆に対して少し距離を感じていたリョウタが、自らその歴史を知り、考えるようになる姿は、この物語の重要な要素です。
一方、6年生のレイは、徘徊する曾祖母・タヅのことを常に気にかけています。
タヅは原爆で息子を失い、その息子を今でも探し続けているのです。
認知症が進んだタヅが息子を探し回る姿は、彼女にとって戦争がいまだに「終わっていない」ことを表しています。
レイはそんなタヅを救いたいと強く思うものの、どうすれば彼女を救えるのか、どう向き合えばいいのか迷い続けます。
『ぼくはうそをついた』は、戦争の記憶が薄れつつある現代において、次の世代がその記憶をどう受け継ぎ、未来に何を伝えていくべきかを問いかけています。
リョウタとレイが優しさや思いやりを学び、戦争の現実にどう向き合っていくのか、その姿は読者に深く考えさせられるものがあります。
戦争の重いテーマを扱いながらも、子どもたちの純粋な心の成長が描かれた温かい物語です。
レイが髪を切った理由
レイが髪を切った理由には、彼女の曾祖母・タヅとの特別な関係が深く関わっています。
タヅは、原爆で息子を失った悲しみから、今でも息子を探し続ける認知症の状態です。
タヅにとって、息子は生きている存在として記憶に残っており、彼を探し回る姿が繰り返されます。
そんなタヅを見守るレイは、彼女を少しでも救いたいという強い思いを抱いていました。
レイが髪を切ったのは、曾祖母の息子であるショウタに少しでも近づきたいという気持ちからです。
タヅは記憶の中で息子を探し続けているため、つねに男の子の姿を思い浮かべているんです。
レイは、髪を短くすることでタヅの息子の代わりになれるのではないか?と考えたのです。
この行動は、ただ単に外見を変えるということではなく、レイが曾祖母に寄り添いたい、彼女を救いたいという深い思いやりから来ています。
このように、レイの髪を切るという行動は、戦争が残した深い悲しみや家族の絆を象徴する場面として、物語の中で大きな意味を持っています。
レイの内面的な成長と、家族を支えたいという強い気持ちが表現されているのです。
印象に残った場面
『ぼくはうそをついた』で特に印象に残る場面のひとつは、主人公リョウタがタヅおばあちゃんに「うそ」をつくシーンです。
この場面は物語の中で非常に感動的な瞬間であり、リョウタの成長や他者への思いやりが強く表現されています。
タヅおばあちゃんは、戦争中に原爆で息子・ショウタを亡くし、その事実を未だに受け入れられずにいます。
長い年月が経っても、彼女は今でも息子がどこかで生きていると信じて、必死に彼を探し続けています。
そんな彼女が、ある日リョウタを見て、息子のショウタと勘違いして呼びかける場面が訪れます。
リョウタは戸惑いながらも、タヅおばあちゃんの悲しみと孤独を感じ取り、咄嗟に「はい」と返事をしてしまいます。
この瞬間から、彼はタヅの息子のふりをして彼女に寄り添うことになります。
リョウタがついた「うそ」は、単なるごまかしや場当たり的なものではなく、相手を思いやる気持ちから生まれたものでした。
タヅの心の中にある深い傷を少しでも和らげたいという、リョウタの優しさがこの場面に強く表れています。
このシーンの中で重要なのは、「うそ」という行為がもつ多面的な意味です。
通常、「うそ」は悪いもの、誰かを欺くためのものと考えられがちです。
しかし、リョウタの選んだ「うそ」は、タヅおばあちゃんを癒すための優しい選択でした。
彼女は、一瞬の間でも息子と再会したかのような気持ちに包まれ、心の中で長年抱えていた重荷を下ろすことができたのです。
この場面は、読者に「うそ」という行為が必ずしも悪いものでないことを教えてくれます。
リョウタの行動は、戦争で大切な人を失った人々の心の傷に寄り添う優しさの象徴であり、戦争がもたらす長年の痛みと、それに対する思いやりの力強さを浮き彫りにしています。
読者は、リョウタの決断に心を動かされ、「うそ」という行為の意味や、その背景にある人間の感情の複雑さについて考えさせられるのです。
この場面は、物語全体のテーマとも繋がり、戦争の悲惨さやその影響を受けた人々に対する優しさがどれほど大切であるかを深く考えさせます。
リョウタが選んだ「うそ」は、単なる言葉の上での偽りではなく、タヅおばあちゃんにとって一時的でも心の救いとなり、物語全体に大きな感動を与える場面です。
主人公と登場人物
『ぼくはうそをついた』には、個性的で重要な役割を担う登場人物が数多く登場します。
中心となるのは、主人公のリョウタと彼の憧れの先輩であるレイです。彼らの行動や心の成長が、物語の核を形成しています。
リョウタ
リョウタは小学5年生の男の子で、広島に住むごく普通の小学生です。
彼は戦争や原爆について「昔の出来事」としてしか捉えておらず、現実感を持っていません。
しかし、祖父シゲルから原爆で亡くなった大おじのミノルの話を聞いたことで、少しずつ戦争の影響や悲惨さに向き合うようになります。
レイ
レイは小学6年生の女の子で、女子バレー部のキャプテンで、リョウタが憧れる先輩です。
レイの両親は共働きをしており、曾祖母のタヅがレイを育ててくれました。
曾祖母のタヅは原爆で息子を亡くしています。
認知症になった今では、時々記憶が混乱して息子を探し続けるようになってしまいました。
レイは、そんな曾祖母を救いたいという強い思いから、曾祖母の心に少しでも寄り添おうと決意します。
タヅおばあちゃん
レイの曾祖母であるタヅは、原爆で息子ショウタを失ったことで、今でもその息子を探し続けています。
タヅは物語において、戦争がいまだに終わらない人々の心の象徴であり、戦争の傷跡がどれほど深いものかを示しています。
彼女の過去が、リョウタやレイに大きな影響を与え、物語の感動的な要素を強調します。
ショウタ
タヅおばあちゃんの息子で、原爆で命を落とした13歳の少年です。
ショウタはタヅおばあちゃんの心の中で今も生き続けており、彼女は息子がどこかにいると信じ、徘徊を続けています。
リョウタの祖父シゲル
リョウタの祖父シゲルは、戦争体験者であり、彼がリョウタに戦争や原爆の悲惨な現実を伝える役割を果たしています。
シゲルの兄のミノルの死について語ることで、戦争の記憶が次世代に引き継がれる様子が描かれます。
祖父の語る戦争の記憶は、リョウタが戦争の現実に向き合うきっかけとなり、物語全体に深みを与えます。
ミノル
リョウタの祖父シゲルの兄で、リョウタにとっては大おじにあたります。
タヅおばあちゃんの亡くなった息子ショウタの友だちです。
ミノルは、13歳のときに勤労奉仕中に原爆に遭い、被爆して命を落としました。
彼は家に帰ろうとしたものの、途中で力尽きたというエピソードが祖父から語られます。
リョウタはこの話に衝撃を受け、彼がどのように過ごし、どのように亡くなったのかを知るために、ミノルの足跡をたどっていくことになります。
ミドリ先生
ミドリ先生は、リョウタの祖父シゲルが戦争中に出会った教師です。
彼女は、戦時中に17歳という若さで代用教員として働いており、リョウタの祖父が通っていた学校で教鞭を執っていました。
原爆が落とされたとき、ミドリ先生は避難所となった小学校で、怪我人の救護や亡くなった人の遺品整理を手伝っていました。
ミドリ先生のキャラクターは、作者・西村すぐりさんのお母さんがモデルになっていることが作品のあとがきで触れられています。
実際に戦時中に教員として生きた女性の実体験を元に描かれたため、その描写には特にリアリティと重みが感じられます。
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ぼくはうそをついた あらすじと作者の背景、見どころ
- シリーズ名・発行年
- 作者・原作者:西村すぐり
- 絵の作者:中島花野
- 感想レビュー
- 作品の見どころ
シリーズ名・発行年
『ぼくはうそをついた』は、2023年にポプラ社から発行された作品で、西村すぐりさんによる児童文学作品です。
この本はシリーズ作品ではなく、独立した一冊ですが、作者の過去の作品である『ぼくがバイオリンを弾く理由』の主人公のカイトがゲスト的な役割ででてきて、つながりを感じさせます。
特に、広島を舞台にしたテーマや、登場人物が共有する戦争の記憶が、それぞれの作品に共通して描かれている点が特徴です。
とはいえ、『ぼくはうそをついた』は独立した物語としても十分に楽しむことができ、過去作を読んでいない読者でも十分に理解できる内容になっています。
本作は2024年の青少年読書感想文コンクールの課題図書にも選ばれており、特に小学校高学年を対象としています。
戦争や原爆の記憶という重いテーマを扱いながらも、子どもたちにも理解しやすいように工夫された文体とストーリー展開が特徴です。
難しいテーマに踏み込む一方で、物語自体は感情豊かに描かれており、読者が登場人物の心の動きに共感しながら読み進めることができます。
作者・原作者:西村すぐり
『ぼくはうそをついた』の作者である西村すぐりさんは、1956年に広島県で生まれ、関西女子美術短期大学卒業です。
彼女は、幼少期から広島という土地の歴史と深く関わりながら育ちました。
特に、広島が原爆によって受けた被害やその後の復興の過程を目の当たりにしてきた経験が、彼女の作品に強く影響しています。
西村すぐりさんの執筆活動の中核には、家族や親族から聞いた戦争体験を次世代に伝えるという使命感があります。
『ぼくはうそをついた』では、61才で亡くなった彼女自身の母親が戦争中に代用教員を務めていた実体験をもとに、戦争の記憶を次世代にどう伝えるかがテーマとなっています。
彼女の母親は17歳のときに原爆を経験し、その時の記憶が家族を通じて西村すぐりさんに伝わりました。
このような実体験に基づくストーリーは、戦争の記憶を単なる歴史上の出来事としてではなく、個々の家庭の中で引き継がれる生きた記憶として描かれています。
2008年に発表された『ぼくがバイオリンを弾く理由』では、ポプラズッコケ文学賞奨励賞を受賞しました。
この作品もまた、戦争の影響をテーマにしています。
西村すぐりさんの作品全体に共通するのは、戦争という過去の出来事を、今を生きる子どもたちがどのように理解し、向き合っていくかという問いかけです。
戦争の悲惨さや家族の絆、そして平和の大切さを、児童文学を通じて伝えることで、彼女は多くの読者に深い感動を与え続けています。
さらに、彼女の作品には、過去の悲劇を振り返るだけでなく、未来への希望が必ず描かれています。
子どもたちが戦争の記憶を自分の中でどう消化し、次世代へとつなげていくか、その過程が重要なテーマとなっているのです。
この視点から、西村すぐりさんの作品は単なる歴史的な物語ではなく、未来へのメッセージを込めた教育的な作品として評価されています。
彼女の執筆姿勢は、読者に戦争を身近な問題として考えさせるだけでなく、家族や歴史と向き合う姿勢をも教えています。
戦争の記憶を忘れないためには、次世代に語り継ぎ、心に留めてもらうことが重要だと西村すぐりさんは考えています。
この思いが『ぼくはうそをついた』を通じて、読者に伝わっているのです。
絵の作者:中島花野
『ぼくはうそをついた』の絵を担当したのは、中島花野(なかじま かの)さんです。
お仕事の紹介です。
児童書『ぼくはうそをついた』(作 西村すぐりさん / ポプラ社 ノベルズ・エクスプレス)のイラストを担当しました。装画やトビラ絵、挿絵など大小含めて30点弱描かせていただいています!
デザインは城所潤さんです。(続→) pic.twitter.com/FZ3e5eS0XY— 花野|Nakajima Kano (@KanoNakajima) June 6, 2023
彼女は長野県出身で、武蔵野美術大学を卒業後、デザイン事務所を経て、2019年からフリーのイラストレーターとして活動を開始されました。
中島花野さんの作品は、柔らかで繊細なタッチが特徴で、心温まるストーリーにふさわしい温かさを感じさせます。
『ぼくはうそをついた』でも、彼女の描くイラストが物語に深みを加えています。
特に登場人物の表情やしぐさは、文章だけでは伝えきれない感情や心の動きを見事に補完しています。
中島花野さんの絵は、単なる挿絵以上の役割を果たしており、物語の情感や雰囲気をよりリアルに感じさせる要素となっています。
この作品では、カバーイラストにも注目が集まります。
物語の象徴でもある主人公リョウタの姿や、髪を切ったレイの姿が描かれており、それぞれのキャラクターの内面を表現しています。
特にカバーを外すと現れるイラストでは、物語のテーマに沿った変化があり、読者に対して印象的なビジュアルのメッセージを届けています。
中島花野さんの他の代表作には、『セゾン・サンカンシオン』(前川ほまれ著)や『ななみの海』(朝比奈あすか著)、『ぼくはなにいろ』(黒田小暑著)などがあり、いずれも豊かな感性で読者の心をつかんでいます。
彼女の絵は、物語をより立体的にし、読者が登場人物たちの感情や背景に共感するための重要な要素となっています。
感想レビュー
『ぼくはうそをついた』は、戦争や原爆を題材にしている作品でありながら、どこか温かさが残るストーリーが特徴です。
この本を読んだ多くの読者が、特に心に響いたのは主人公リョウタがついた「優しい嘘」の部分です。
この嘘は、自分を守るためのものではなく、他者を思いやり、相手の心を癒すためについたものであり、それが物語全体に優しさを与えています。
「嘘」とは一般的に否定的な要素として扱われがちですが、本作ではその嘘が持つ意味と効果が大きく、読者に新たな視点を提供してくれます。
多くの感想では、「リョウタの嘘は単なる悪ではない」「相手を救うための嘘は必要なこともある」といった意見が見受けられます。
特に、戦争という重いテーマの中で、リョウタの優しさが際立つエピソードは多くの読者に深い感動を与えています。
リョウタの行動は、戦争の悲劇の中で、なおも人が人を思いやることができる強さを象徴しており、子どもだけでなく大人も考えさせられる場面が続きます。
一方で、本作は小学生向けの児童文学として書かれているため、全体的に説明的な文体や展開が多く、これを物足りなく感じる読者もいます。
特に大人の読者の中には「もう少し深く掘り下げてほしい」という声もあるようです。
しかし、この文体は、戦争を直接知らない世代の子どもたちが理解しやすいよう工夫されたものであり、戦争や原爆という難しいテーマを伝える上での適切な手法であると評価されています。
全体を通して、作品のメッセージは非常に強く、感情に訴えかける場面が多いことから「読後に平和の大切さを改めて感じた」という感想が多く寄せられています。
戦争の記憶を風化させないためのメッセージが込められ、またそのメッセージが若い世代にしっかりと届くよう工夫された構成が高く評価されているのです。
一方で、日常の中にある「優しさ」や「思いやり」を繊細に描いた部分も多く、リョウタと周りの登場人物たちが織りなす物語に多くの人が共感しています。
そのため、本作はただ戦争を語るだけでなく、人と人とのつながりや、相手を思いやる心を考えさせてくれる作品としても、多くの読者に支持されています。
具体的には、アマゾンのレビューサイトでの平均評価が4.2点(5点満点中)と、極めて高い数値を記録しています。
作品の見どころ
『ぼくはうそをついた』の見どころは、登場人物たちの複雑な感情が絡み合う中で描かれる「優しい嘘」のシーンです。
リョウタがついた嘘は、ただの虚言ではなく、戦争によって大切な人を失った曾祖母・タヅを慰めるための嘘です。
タヅは原爆で息子を失い、その息子を今でも探し続けています。
リョウタはそんな彼女の姿を見て、とっさに亡くなった息子の代わりを演じることで、彼女の心の平安をもたらそうとするのです。
この嘘は、物語の中で重要なターニングポイントとなり、読者に強い感動を与えます。
タヅにとって、この嘘は過去の苦しみを一時的にでも忘れさせるものとなり、読者もまた、その優しさに心を動かされるでしょう。
もう一つの見どころは、レイの行動です。
彼女は、祖母を思いやる気持ちから自分の髪を切り、まるで男の子のような姿になります。
これは、祖母が探し続ける息子の面影に少しでも近づこうとする行為であり、レイの祖母への深い愛情が表れています。
戦争によって壊された家族の絆を、自分なりに修復しようとするレイの姿は、家族の愛の強さを象徴しています。
このシーンもまた、多くの読者に強い印象を残す場面です。
さらに、作品の舞台である広島という土地も、物語の魅力の一つです。
広島は、戦争と原爆の記憶が色濃く残る場所であり、物語はその歴史を背景に描かれています。
リョウタやレイのような現代の子どもたちが、過去に何があったのかを学び、未来に向けて平和を願う姿がリアルに描かれています。
広島という舞台が、戦争の記憶を持つ大人と、その記憶を引き継ごうとする子どもたちの対話をより深くし、物語に独特の重みを与えています。
また、作品全体を通じて描かれるテーマは「記憶の継承」です。
リョウタやレイが、戦争を経験していない自分たちの世代として、どのようにしてその記憶と向き合い、受け継いでいくのかが丁寧に描かれています。
彼らの成長の過程を見守ることで、読者もまた戦争の悲劇とそれを語り継ぐことの大切さを考える機会を得ることができるでしょう。
全体的に、読者から寄せられる評価は非常に高く、特に感動的なストーリーや、戦争について考えるきっかけを与える作品として評価されています。
特に子どもたちが戦争の歴史に触れ、読書感想文などで自分の意見を深めるための良い題材となる一冊です。
この物語は、大人も子どもも心に残る深いテーマを持ちながら、優しさや家族愛といった普遍的な価値観を丁寧に描いていることが評価されています。
ぼくはうそをついた あらすじを総括
記事のポイントをまとめます。
『ぼくはうそをついた』は、広島を舞台にした児童文学作品
主人公は小学5年生のリョウタと6年生のレイの二人
リョウタは祖父から原爆で亡くなった大おじ・ミノルの話を聞き始める
レイは認知症の曾祖母・タヅの面倒を見ている
リョウタは戦争を「遠い過去の出来事」から身近な問題として捉えるようになる
ミノルはリョウタの祖父の兄で、13歳のときに原爆により命を落とした
レイの曾祖母タヅは、亡くした息子ショウタを探し続けている
レイは曾祖母に寄り添うために髪を切り、息子の代わりになろうとする
リョウタがタヅに「うそ」をつくシーンが物語の感動的な場面
この「うそ」はタヅを傷つけず、むしろ彼女を慰めるためのもの
戦争の記憶を次世代がどう受け継ぐかがテーマである
リョウタとレイの成長が物語の重要なポイント
広島という場所が、物語の背景として重要な役割を果たしている
本作は2024年の青少年読書感想文コンクールの課題図書
ミドリ先生は、作者の西村すぐりさんの母親がモデル
▼ぼくはうそをついたを試し読みするなら...